ペットショップからの購入ではなく保護施設からお迎えするという選択肢

犬や猫といったペットを飼う際にペットショップで購入する方も多いと思います。
しかし、実はペットショップで購入するという方法は世界的に見ると珍しいというのをご存じでしょうか?
動物愛護の観点から、欧米諸国ではブリーダーから直接購入したり、オンラインショップでの購入、そして動物シェルター(動物の保護施設)から引き取るといった方法がスタンダードとなっています。
そこで今回は、「ペットショップからの購入ではなく保護施設からお迎えするという選択肢」について解説していきたいと思います。
ペットショップのシステムのリスク
それではまず、日本ではスタンダードな選択肢となっている「ペットショップ」のシステムにおけるリスクを挙げていきましょう。
①狭い空間で不特定多数の人に見られるストレス
犬や猫の立場に立って考えてみると、ペットショップの生体販売は非常に過酷であるといえます。
狭いガラス張りのケースに入れられ、不特定多数の人に一日中見られながら過ごさなければならないため、そのストレスは尋常ではありません。
動物愛護法で「6時間以内に1回の休憩をとること」と定められているため一昔前よりかはそのストレス度合いは低くなりましたが、生後3か月~1年という幼い犬や猫が長時間狭い空間に閉じ込められている状態は健全なものとは決していえないでしょう。

②社会性が身に付かない
本来動物は群れで暮らす生き物です。
しかし、ペットショップで販売されている犬や猫たちは狭いケージの中に閉じ込められ、子犬同士で遊んだり親に甘えたりといったことができません。
それゆえに社会性が身に付きにくくなります。
③ペットの商品化に伴う過度なブリーディング
ペットショップというシステムの一番の問題点は、「ペットが商品化してしまうこと」でしょう。
より見た目が可愛い犬や猫をブリーディングによって作り出していて、購入者(買いたいという人)に対して塩梅される個体数が多すぎるのが現状です。
実際に年間1万頭近い犬猫が殺処分となっていて、ペットの商品化のネガティブな影響となっているのです。
ペットを保護施設からお迎えするという選択肢
ここまでペットショップというシステムのリスクを挙げてきましたが、決して購入者が「悪」というわけではありません。
過度なブリーディングの規制や生体販売の環境改善などが行われれば、ペットショップによる生体販売も良い選択肢となる可能性はあります。
しかし、現状では「ペットショップで売れ残った犬や猫」が多数存在しているわけで、そうした状況を踏まえると、「保護施設(動物保護シェルター)からペットをお迎えする」という選択肢も選択肢に入れてみると良いのかもしれません。
各都道府県の市区町村において動物愛護センターがありますが、それらとは別に団体や個人で保護活動を行っているケースも多いです。
そうした施設では、下記のようなペットを保護しています。
・ペットショップで売れ残ったペット
・飼い主の病気や怪我、死去などによって行き場を失ったペット
・飼育放棄されたペット
・飼い主から虐待を受けていたペット
そしてそうした保護団体や個人で保護活動を行っている方からペットを迎え入れるという選択肢も日本で徐々に広がってきています。
例えば、「ハグー」や「OMUSUBI」「PEACE WANKO」「Veterinary Adoption」などが挙げられます。
里親募集の情報がサイトに日々更新されていて、非常に多くの犬や猫といったペットが掲載されています。
ワクチンや狂犬病注射、飼育にかかる費用を含めた譲渡費用は3万円~10万円ほどかかりますが、ペットショップで購入するよりもリーズナブルな料金で迎え入れることが可能となります。
なにより、引き取り手がないペットを迎え入れ家族として暮らしていくということに大きな意味がある選択肢であるといえるでしょう。
「ペットを飼いたいな」と本格的に考えている方は、ぜひこうした保護している動物が多数掲載されているサイトを閲覧してみてはいかがでしょうか?
確かに先天性異常を抱えている子や過去に怪我を負った子などもいますが、ペットショップと同様にその姿や性格は可愛いものです。
掲載されている動物たちをチェックしていく中で、もしかしたら運命を感じる子にも出会えるかもしれません。

まとめ
今回は、「ペットショップからの購入ではなく保護施設からお迎えするという選択肢」について考えてみました。
ペットショップにおける生体販売は日本においてスタンダードな選択肢ではありますが、実際には様々なリスクを抱えています。
徐々に日本でも欧米と同じ様に保護施設(ペットシェルター)にいる犬や猫を引き取るという選択肢も増えてきています。
ペットをお探しの際は、ぜひそうした選択肢も考えてみていただければ幸いです。

