猫に散歩が不必要な理由

ペットの散歩といえば、「犬の散歩」を思い浮かべますよね。
犬よりも飼われている頭数が多い猫に関しては、リードを付けて散歩しているイメージはほとんどないはずです。
それもそのはず、猫は基本的に散歩が必要ないペットとなります。
今回はそんな、「猫に散歩が不必要な理由」について解説していきたいと思います。
猫に散歩が不必要な理由
それではさっそく、なぜ猫に散歩が必要ないのか、その理由をいくつか挙げていきましょう。
①猫は犬に比べて運動量が少ない
猫はしなやかで素早い動きができるため、運動量のある動物だと思っている方も多いですが、実はそれほど運動量自体はありません。
運動量を時間で換算するならば、1日10分~15分程度で十分なのです。
そのため、犬のように自宅周辺を1日2回くらい30分程度かけて散歩させる必要はないわけです。
自宅内の日の当たる場所でゴロゴロしていることも多いですが、キャットタワーを上ったり飼い主さんと遊んだりなど室内でも一定以上の運動は可能であるため、散歩不要となります。
②縄張りが狭く長距離を移動する習性がない
猫も犬と同じように「縄張り意識」はありますが、その範囲は犬のように広くありません。
野生の猫であれば半径数百メートルの範囲を縄張りとしますが、飼い猫の場合は半径50メートルほどが縄張りとなります。
犬の散歩は縄張り意識を満足させる意味を持ちますが、猫は散歩をしたところで縄張りの欲求自体が薄いので、無理に散歩しなくても良いわけです。
③上下運動ができれば猫は満足できる
ペットの運動というと、広いスペースを走り回るといったイメージがありますが、猫の場合は横の動きではなく「縦の動き」が重要となります。
縦の動きというのは、「上下運動」のことです。
野良猫が住宅の外壁の上にピョンと飛び乗る姿を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
猫は身体能力が高く、体高の4倍以上ジャンプできるといわれています。
この「ジャンプ」が猫にとって最も理想的な運動となるわけですが、そのために理想の設備となるのが「キャットタワー」です。
キャットタワーは、天井近くまで高さがあるので猫は頻繁に上り下りできます。
さらに運動だけでなく遊びや休息、爪研ぎなどもできるため、猫のストレスを大幅に軽減できるアイテムでもあります。
天井と床を突っ張り棒で支えるタイプならば、地震が起きた際も倒れることがないので安心です。
このキャットタワーがあれば、猫にとって十分な運動量が確保できるため、無理に日々散歩をする必要もないのです。

④ノミやダニが付いてしまう可能性が高まる
猫を放し飼いしている飼い主さんも一定以上存在しますが、そうしたケースではノミやダニが付いたまま自宅に戻ってきてしまうリスクが高まります。
ノミやダニが被毛に付いてしまうと、血を吸われ貧血、アレルギーといった症状を引き起こします。
そして猫特有の「グルーミング(毛づくろい)」の際に体内に入ってしまい寄生虫感染するリスクも高まります。
もちろんノミやダニに対する予防薬を使用すればある程度は防げますが、毎日のように屋外に出てしまえば防ぎきれないケースが増えます。
そのため、室内外で1日1回散歩をするケースでも同じようにノミやダニが付くリスクが高いわけです。
猫の脱走対策もしっかりと行うべき
猫を室内飼いし散歩も行わない飼い主さんも多いですが、発情期になると玄関や窓の隙間から脱走してしまうケースもあります。
発情期以外でも、ストレス発散や縄張り意識、狩りの本能、好奇心なども脱走の原因となります。
キャットタワーの設置やおもちゃなどを使用した遊びを積極的に行うことでストレスや好奇心は満たすことができますが、それでも脱走を試みる確率をゼロにすることはできません。
そこで、脱走防止の柵(キャットゲート)を設置したり、窓にも脱走防止用のネットやフェンスを設置するなど、しっかりと対策すべきでしょう。
また、もしも脱走してしまった時のためにマイクロチップを事前に埋め込んでおくことも有効な対策となります。
まとめ
今回は、「猫に散歩が不必要な理由」について解説してきました。
猫の散歩は以下のような理由によりそれほど必要性は高くありません。
・猫は犬に比べて運動量が少ない
・縄張りが狭く長距離を移動する習性がない
・上下運動ができれば猫は満足できる
・ノミやダニが付いてしまう可能性が高まる
ただし、仕事で長時間家を空けていたり、運動量が多めに必要な子だった場合には、散歩という形で運動を促しストレスも発散させるべきといえます。
愛猫が散歩なしで問題なく暮らしているのかをしっかりと飼い主さんがチェックした上で散歩をするかどうかを決めるようにしましょう。

