猫を放し飼いすることで起こるリスク4選

日本では様々な種類の動物がペットとして飼われていますが、それぞれのペットに「イメージ」というものがありますよね。
犬であれば人懐っこくて忠誠心が高いというイメージがありますし、猫の場合は自由気ままというイメージを持つ人が大半でしょう。
そうしたイメージがあるため、猫を放し飼いする方もいるわけですが、実は放し飼いには多くのリスクがあるため、おすすめできない飼い方といえるのです。
そこで今回は、「猫を放し飼いすることで起こるリスク」について解説していきたいと思います。
放し飼いをする飼い主さんは減少傾向
昭和や平成初期では、「猫を放し飼いする」という飼い主さんは珍しくありませんでした。
「猫は自由気ままに生きたいんだから屋内に閉じ込めておくのはかわいそう」という価値観を持つ人も多かったように思います。
『サザエさん』の飼い猫である「タマ」がまさしくそんな放し飼いの猫だったことも影響していたのかもしれません。
その割合はおよそ15%~20%程度だったようですが、2020年代に入ると価値観は大きく変化していきます。
放し飼いすることに対するリスクが広く知られるようになったため、その割合は5%未満にまで減っているといわれているのです。
しかし、5%未満(2%~5%程度)と割合的には低いわけですが、母数が多い(日本で900万頭以上飼われている)ため、今もなお15万頭~30万頭程度は放し飼いされていることになります。
皆さんも自宅周辺や外出時に放し飼いの猫を見かけたことが何度もあるはずです。
割合的には減少傾向とはいえ、まだまだゼロには遠く及ばないのが現状なのです。

猫を放し飼いすることで起こるリスク
それでは、ここからは「いったいなぜ猫を放し飼いしない方が良いのか?」という疑問に対する答えを挙げていきましょう。
①交通事故に遭うリスク
日本では猫が交通事故に遭うケースが非常に多いといえます。
野良猫を含めると年間20万頭以上が交通事故によって命を落としているほどです。
車で郊外に出掛けた際に轢かれてしまっている猫を見たことがある方も多いのではないでしょうか?
猫は身のこなし自体は上手なのですが、基本的に前進する動物(後退することが苦手な動物)なので、危機を察知した際に後退し避けることが苦手となります。
そうした理由から、放し飼いで交通事故に遭う確率も意外と高くなってしまうのです。
②ウイルスへの感染リスク
屋内で猫を飼うケースではそれほど意識する必要はありませんが、放し飼いの場合は「ウイルスへの感染リスク」が高いことをしっかりと認識しておくべきです。
ノミやダニはもちろん、野良猫などとの接触によって感染症の原因となるウイルスをもらってきてしまう可能性が高まります。
下痢や嘔吐といった症状が起こるだけでなく、最悪の場合命にもかかわるため、そのリスクは低くないといえるでしょう。
「ワクチンを年に1回打っていれば大丈夫」と過信する飼い主さんもいますが、ワクチンで防げる感染症には限りがあるため、リスク自体は低くできるものの屋内飼いの猫よりも圧倒的にリスクが高いことには変わりありません。
③妊娠のリスク
もしも飼っている猫がメスであり避妊手術をしていない状態ならば、「妊娠のリスク」もあります。
また、オスで去勢手術をしていなければ、「他の猫を妊娠させてしまうリスク」もあるわけです。
猫は一度に3~7匹程度産むことがほとんどであるため、妊娠、出産となると様々な問題が生じてしまいます。
④近隣の住民への迷惑というリスク
しつけをしっかりと受けている犬であれば、排泄のタイミングや場所などを守ることができますが、放し飼いされている猫の場合はそうしたしつけが徹底できていないケースがほとんどでしょう。
近隣の住民の自宅敷地内もしくは外壁、接する道路などに排泄をしてしまうケースも多いです。
また、郊外の住宅では「庭や畑を荒らす」といった迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょう。
威嚇や発情期などの理由により近隣住宅の前で鳴き続ける
といった可能性も考えられます。
これらの迷惑行為は飼い主さんが把握できないことがほとんどなので、大きな問題に発展する可能性があります。
まとめ
今回は、「猫を放し飼いすることで起こるリスク」について解説してきました。
近年は「猫を室内飼いする」といったケースがスタンダードな選択肢となりつつありますが、まだまだ放し飼いを選択する飼い主さんが数多く存在するのも確かです。
・交通事故に遭うリスク
・ウイルスへの感染リスク
・妊娠のリスク
・近隣の住民への迷惑というリスク
放し飼いすることによって上記のようなリスクを負ってしまいます。
これから猫を飼おうと考えている方は、ぜひ室内飼いを検討してみましょう。
飼い主さんにとっても猫にとっても、近隣住民の方たちにとってもそうした飼い方がベストであるはずです。

