犬・猫が食べてはいけない人間の食べ物とは?危険な理由も解説

人間の食べ物のなかには、犬・猫が食べてはいけないものが存在することをご存じですか?特に、チョコレート、ブドウ、アボカド、ねぎ類の野菜、キシリトールなどは危険度が高く、うっかり与えてしまうと命に関わることもあります。
今回は、犬・猫が食べてはいけない人間の食べ物を、危険と言われる理由とともに解説します。正しい知識を備えてペットの健康を守りましょう。
犬・猫が食べてはいけない食べ物一覧

犬・猫が食べてはいけない食品類をご紹介します。
ただし、下記はあくまで一例です。初めて食べさせるものは「大丈夫だろう」と思わず事前に調べ、必ず少量から与えることを徹底しましょう。
果物
犬・猫が食べてはいけない果物は、ブドウおよびレーズン、アボカド、イチジク、未熟な柑橘系です。
〈犬が食べてはいけない果物〉
・ブドウ、レーズン
・アボカド
・イチジク
・柑橘系(未熟なもの)
ブドウおよびレーズン、アボカド、イチジクに含まれる成分は、ペットの下痢・嘔吐などの中毒症状を引き起こします。最悪の場合、急性腎不全や呼吸困難で死に至ることもある危険なものです。
また、熟していない柑橘系の果物に含まれる「アルカロイド」という成分や、外皮に塗られるワックスも犬・猫には毒になります。
野菜
犬・猫が食べてはいけない野菜は、ねぎ類と未熟なトマトです。
〈犬・猫が食べてはいけない野菜〉
・玉ねぎ
・長ねぎ
・ニンニク
・にら
・らっきょう
・トマト(未熟なもの)
ねぎ類の野菜に含まれる香味成分「アリルプロピルジスルフィド」は、血液中の赤血球を破壊し、貧血・元気消失を引き起こします。
また、トマトにも注意しましょう。熟して赤くなった身の部分なら食べられますが、未熟な青い実やヘタ、葉、茎に含まれる「トマチン(アルカロイドの一種)」は有毒です。
魚介類
犬・猫が食べてはいけない魚介類は、貝類と生魚です。
〈犬・猫が食べてはいけない魚介類〉
・アワビ
・サザエ
・トリガイ
・生魚
貝類に含まれる「ピロフェオホルバイドα」という成分は、ペットの光線過敏症を引き起こします。貝類は加熱しても食べられません。
また、生の魚介類には「チアミナーゼ」という成分によるビタミンB1欠乏症や、アニサキスによる食中毒の危険があります。これらは十分に加熱することで予防が可能です。
消化性が悪いイカ・タコは小さく切って与えるとともに、エビ・カニが引き起こす甲殻類アレルギーにも注意しましょう。
動物性食品
犬・猫が食べてはいけない動物性食品は、生肉、生の卵白、ハムおよびソーセージ、牛乳およびチーズ、鶏の骨です。
〈犬・猫が食べてはいけない動物性食品〉
・生肉
・生の卵白
・ハム、ソーセージ
・牛乳、チーズ
・鶏の骨
生肉は、生魚と同様に細菌による食中毒のリスクが高いです。
未加熱の卵白に含まれる「アビジン」という成分は、ビオチンの吸収を妨げてビオチン欠乏症を引き起こし、ペットの皮膚炎や脱毛につながります。ただし、卵黄に大量のビオチンが含まれているため、全卵なら生で食べても問題ないと考えられています。
人間向けに作られたハム・ソーセージは、塩分や脂質が多いためペットの体には適しません。牛乳やチーズも、乳糖(ラクトース)を分解しきれずにお腹を下すおそれがあります。即座に問題が生じるわけではありませんが、あえて食べさせる必要はないものです。
一方、鶏の骨は栄養価が高いものの、するどくとがった箇所が内蔵を傷つける危険があります。あらかじめペット用に加工されたものを選びましょう。
その他
その他、犬・猫が食べてはいけない食品類には下記のようなものがあります。
〈犬・猫が食べてはいけないその他の食品〉
・チョコレート、ココア
・キシリトール
・マカダミアナッツ、ビターアーモンド
・カフェイン
・アルコール
・銀杏
・ユリ科の植物(ユリ、チューリップなど)
チョコレートおよびココア、キシリトール、一部のナッツ類は、犬・猫が食べると重大な中毒症状や急性肝不全を引き起こします。
知っていれば避けやすいものばかりですが、意図せずウェットティッシュに含まれるアルコールを吸い込んだり、散歩中に銀杏や雑草を拾い食いしたりすることには注意しましょう。
「エッセンシャルオイル」にも注意!
エッセンシャルオイル(精油)そのものや、成分として含まれるアロマオイルは、特に猫にとって有毒です。香りの種類を問わず、吸い込むだけでも重大な中毒を引き起こします。
犬の場合は、ラベンダーやカモミールなど一部の種類は使用できることがあります。ただし、アニスやオレガノのような禁忌も存在するため、慎重に取り扱ってください。

食べてしまったときはすぐ動物病院に相談を(まとめ)
犬・猫が避けるべき人間の食べ物は意外と多くあります。特にチョコレートやブドウは有名ですが、その他にも重大な中毒症状を引き起こすものがあり、決してあなどれません。
万が一食べてしまったときは、すぐに動物病院に相談してください。早期に適切な対応をすることが、大切なペットの健康と命を守るカギになります。

